こーちゃんの食で心も体もヘルシーに

米国で栄養士&パティシエをしてました。「食と健康」をわかりやすく話します。

血糖値が下がるトマトジュースのベストな飲み方

こーちゃんです。

 

私は血糖値が高めで、いわゆる境界型糖尿病です。

境界型糖尿病というのは糖尿病予備群とも呼ばれ、糖尿病の診断はまだされてはいないけれども、通常より血糖値が高く糖尿病を発症するリスクが高い状態のことを言います。

そのため血糖値対策の一つとして、血糖値抑制効果があるというトマトジュースを飲んでいます。

血糖値下がるトマトジュース

トマトジュースの良さを最大限に発揮する飲み方は?

糖尿病の方や医療機関でも、トマトジュースを摂取すると血糖値が下がるという話を聞きますし、多くの検証結果も見ています。

なので、私は朝食と夕食の30分前に温めたトマトジュース(食塩不使用)にオリーブオイルを入れて飲んでいます。

コップで飲めるトマトスープみたいな感じで、手軽に飲めるので続けられています。

ほかに、食事を気をつけたり、軽い運動の効果もあって、ヘモグロビンA1c(過去1~2か月の平均血糖値)の数値が、5.9から今は5.2まで下がりました。

そこで、今回はトマトジュースの効果や、効率的な摂取方法についてご紹介します。

 

 

トマトに含まれる「リコピン」が、血糖値の上昇を抑える

トマトに含まれる「リコピン」には、血糖値を下げる唯一のホルモン「インスリン」の働きを促し、血糖値の上昇を抑制する効果があります。

リコピン」とは、動植物に含まれる、赤や黄色、オレンジ色の色素成分で、カロテノイドの一つです。

カロテノイドの中でも、「リコピン」は※抗酸化作用が強く、その抗酸化作用によって血中の活性酸素が除去され、インスリンの働きがよくなり血糖値が下がります。

 

銀座泰江内科クリニックの泰江慎太郎院長は、”当院の糖尿病外来に来られる糖尿病患者の血液を調べると、血中のリコピン濃度が低い傾向があるため、リコピンの摂取量を増やす事が病状の改善につながる”と言います。

 

※抗酸化作用とは、体を酸化させ細胞にダメージを与える活性酸素を抑えてくれる働きのこと。活性酸素は老化や生活習慣病の原因になるため、抗酸化作用はそれらを防ぐ大切な役割を果たしている。

 

血糖値を下げる良きサポート役のアディポネクチン

リコピンは、脂肪燃焼を促す「アディポネクチン」というホルモンも増やしてくれます。

アディポネクチンは、膵臓から分泌されるインスリンの効きをよくする効果があります。(肝臓から糖を新たに作り出す働きを抑えつつ、糖の取り込みを筋肉細胞に促す作用があるため、)血糖値の低下につながります。

血糖値を下げるインスリンも、もちろん重要ですが、アディポネクチンの働きも血糖値の改善に大いに役立ちます。

さらにアディポネクチンは、「長寿ホルモン」や「やせホルモン」と呼ばれ、脂肪代謝を促進して内臓脂肪を減らし、傷ついた血管を修復・拡張したりするなど、幅広い作用があります。

そのため、高血圧や脂肪肝、肥満などの改善も期待できます。

 

ジュースで飲むと、より栄養素を摂れる

生食よりも、ミキサーにかけたり、すりつぶしたりすると、細胞壁が壊れてリコピンの吸収率が高くなります。

生のトマトはリコピンが入っている細胞が硬く摂取しづらいため、トマトジュースの方が、絞られ細胞が破壊されて液体になっているので、より多くのリコピンが摂れます。

トマトジュースは「加工用トマト」に分類されますが、「生食用トマト」とは違い、完熟した果実のみを収穫しているので、「リコピン」の含有量が多く、果実の色は真っ赤です。

加工用トマトは、農林水産省が決めた規格があり、完熟したもの、リコピン含有量、色の赤みなどが決められており、完熟時のピークに摘み取られて缶や瓶などに密閉状態になるため、栄養成分的に優れています。

リコピンの含有量も、「生食用トマト」よりも約3倍ほど多いです。

リコピンの量は、トマトの色や品種によって変わりますが、
一般的に、加工用トマトは10mg、生食用トマトは3~5mgです(生トマト100mg中)。

日本では、生で食べるなら、生食用トマトの方が皮が薄く食べやすく人気がありますが、世界各地では加工用トマトに使われる赤系トマトも生で食べられています。

しかし、加工用トマトの方が栄養価が高いので、実はトマト加工品から摂取するのは、とても効率が良いです。

 

より効果的にリコピンを摂る方法

トマトジュースを温めて、オリーブオイルをスプーン1杯入れて、食事の30分前に飲んでみて下さい。

食事30分前くらいに飲むのが、もっとも血糖値を下げてくれる効果が大きいそうです。

食事の直前でも効果はあるようですが、抑制効果は30分前よりも落ちます。

 

トマトのリコピンは加熱することで、細胞壁が柔らくなり壊れやすくなるので、リコピンの吸収率が高まります。
リコピンは熱に強いので、炒めたり煮込んだりしても大丈夫。

またリコピンは油に溶けやすい性質のため、オリーブオイルのような油と一緒に摂取すると体内への吸収率が上がります。

ちなみに1日に摂取するオリーブオイルの適量は、大さじ1~2杯なので、その分調節して下さい。

イタリア料理では、トマトソースにオリーブオイルが使用されますが、リコピンをより多く摂取することができ、健康にもよいです。

そのままトマトジュースを飲むより、オリーブオイル入りの温かいトマトジュースの方が、リコピンの吸収率が高いのです。

 

一日に飲む適切な「量と時間帯」

まず一日あたりに飲むトマトジュースの適切な量は、200mlくらいが良いです。

リコピン摂取量については、一日あたり15~20gが適量とされています。

無塩のトマトジュース200mlには、16~30gのリコピンが含まれているため、1日1杯飲めば十分に摂取できます。

 

カゴメ株式会社の研究では、朝8時、昼12時、夜18時にトマトジュースを接収した場合、朝8時に摂取した時の血中リコピン濃度がダントツで一番高いという結果が出ています。

2番目は夜18時ですが、朝に比べると効果は1/3で、昼12時効果はもっと少いものでした。

この結果をもとに、私の場合は、1日2回に分けてトマトジュースを飲んでいます。

朝食前に200ml飲むと量が多くて朝食があまり入らないので、一回分は100mlくらいがちょうどよいです。

朝食と夕食前の30分前に小グラス1杯(100ml)づつ、合計で200ml摂取しています。

 

さいごに

昔は生のトマトの酸味が得意ではなく食べられなくて、トマトジュースも塩分入りのものが多く、ジュースなのに塩辛いのが苦手で飲めませんでした。

でも今は、健康の観点からも、食塩不使用のトマトジュースが推奨されるようになり、飲んでみると塩味も気にならず今は美味しく飲んでます。

食塩不使用でも、ほんのり塩味もありますし、温かいのでトマトスープみたいな感覚で、食前の飲み物としてちょうどいいです。

 

 

<参考>

[トマトの栄養リコピンとは]効率よく摂取する、食べ方や調理法|カゴメ株式会

カゴメ株式会社|自然を、おいしく、楽しく。|野菜でもっと健康に|トマト大学 医学部

 ・【アディポネクチンを増やす方法】トマトとみそが糖尿病改善に役立つ理由とは - 特選街web

加工用トマトと生食用トマト | トマトの教室 | トマトおじさんの笑顔日記 | コーミ

・加工用トマトのはなしー農畜産業振興機構: https://www.alic.go.jp/content/000108436.pdf

朝にトマトジュースを飲むと機能性成分“リコピン”が効率的に吸収されることを“ヒト試験”で確認|カゴメ株式会社のプレスリリース